終わりましたね、進撃。
世間では「予想以上の結末ではなかった」「期待値が大きすぎた」とか言われているが、俺としてはよくぞ11年間ブレずに描き切ったと賞賛を送りたい。この物語は、最初から最後まで「『壁の向こう側』を求める」物語だった。
目の前に立ち塞がる「壁」の向こうには、国家、民族、怨嗟という『壁』があり、エレンたちはそれを超えることができなかった(加筆されたエピローグにはその子孫たちも乗り越えられなかったことが示唆されている)。だがそれは仕方のないことだ。現実の我々がまだ到達できない「向こう側」に、現実の人間が作り出した物語の登場人物がどうして辿り着けるというのだ。
現実でも進撃の世界でも、きっとこれからも何千何億もの人間が理不尽に死んでいくだろう。しかし、確かに彼らは『壁』を一つ越えたのだ。
だから、いつか、きっと。