フはフラグメンツのフ
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「以前、中央アジアで命を落としそうになったときがある。その時に私は命を助けられた。よりにもよって最初に捕虜になっているはずの部下にだ。遠く、何十kmも離れていたのに。距離も状況も、軽く超えてな」この人の文章を読んでいると何故か涙が出てくる。個人的には佐藤大輔の後継者になりうる人材だと思っている。
「無線が手元にあっただけです。それがなにか」
「それがファンタジーだよ。我々はファンタジーを見た。あの日、確かに現実はファンタジーに食い荒らされたんだ。ファンタジーの浸食が力を与えたか、部屋の隅で震えていたエルフの娘が突然息を吹き返し、先頭に立って我々を外に連れ出した。」
ランソンは落ちくぼんだ目で、静かに語った。
「ファンタジーだ。ファンタジーだよ。私は一人のただの人間が現実を叩いてその壁を揺らすのを見た。一人の人間の拳がファンタジーを呼ぶんだ。世界の壁、常識の壁という奴が、一人の人間の拳を前に揺らぐのだ。ただの人間の渾身の一撃に世界がきしみをあげた」
(「マージナル・オペレーション02」より)