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フはフラグメンツのフ

ノスタルジア1907 登場人物元ネタ集

彼女のひだり目の中にわずかな傷をみつけたから七月九日はノスタルジア記念日

というわけで、今日はノスタルジア号事件のあった日なので、登場人物の元ネタなどまとめてみました。

カール老 - カール・グスタフ・ユング(1875-1961)
言わずと知れた分析心理学の創始者。共時性(シンクロニシティ)の提唱者と呼んだほうが一部の人間には通りがいいかも。スイス人。
1907年はまだ32歳で、フロイトとは対立どころか親交を開始した年である。本作の謎解きの重要な鍵となる「元型論」を発表するのもずっと後のこと。

デュナン - C・オーギュスト・デュパン(架空の人物)
エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」などに登場する「世界最初の名探偵」。
「フランス人」の「探偵」で名前が似ているから、元ネタなのかな?という俺の妄想。

ブラック - ジョルジュ・ブラック(1882-1963)?
フランス人の画家。ピカソと共にキュビスムを創始した。
同姓同名でフランス人の芸術関係者、という以外は共通点はまったく無い。

ストラヴィンスキー - イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)
ロシアの作曲家。代表曲は「火の鳥」など。
1907年当時は25歳で駆け出しもいいところである。ゲームではアメリカへの亡命を希望しているが、確かに大戦と革命の影響でロシアには帰れなくなり最終的にアメリカに落ち着くことになるものの、それは30年以上先の話であり亡命でもない。

ココ - ココ・シャネル(1883-1971)
言わずと知れたファッションブランド「シャネル」の創設者。
若い頃はキャバレーの歌手をしており、1907年頃はそこで知り合った金持ちの愛人をやっていた。劇中でカスケに名台詞「一生やってろ! もうすぐ終わる!」と言わしめた上述のストラヴィンスキーとは、実際に恋愛関係だった時期もあり映画にもなっている。


ついでに「A HAPPY NEW YEAR.」のほうも。

明石元二郎(1864-1919)
大日本帝国陸軍軍人。日露戦争当時の階級は大佐。
劇中の通り、スウェーデンのストックホルムを中心に諜報活動(明石工作)を行う。その働きは「陸軍10個師団に相当する」とも評された。実際ズボラで不潔な人物だったらしい。

栗野慎一郎(1851-1937)
大日本帝国外交官。日露戦争当時の駐ロシア公使。
開戦直前、風采の上がらない明石を見て、外務省に「優秀な間諜が欲しい」と要請した。

宇都宮太郎(1861-1922)
大日本帝国陸軍軍人。日露戦争当時のイギリス大使館付武官(階級は中佐→大佐)。
明石工作をイギリスから支援。秋山真之の親友。

セルゲイ・ウィッテ(1849-1915)
帝政ロシアの政治家。日露戦争当時の役職は大臣委員会議長(閑職)。
ポーツマスでの講和会議に主席全権として赴き、かの有名な「ポーツマス条約」を結ぶ。
生涯ロシア帝国存続の為に働き続けたが、皇帝からは嫌われ続けた「死ぬことと見つけたり」の中野求馬の親父みたいな人。

こんなとこかにゃー。
あと時代背景として「グレート・ゲーム」の項目を読んでおくといいかもしれない。
じゃ、次は「ユング心理学とノスタルジア」でお会いしましょう。
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40代鬱病フリーの翻訳家が、ゲームを作る妄想をしたり弱音を吐いたりします。

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